「炊く」とは1.焼く工程と2.水分で調理する工程を組み合わせて、比較的短時間で行う調理法です。今回ご紹介する「炊く」料理はシンガポール料理の「海南鶏飯(ハンナンチキンライス)」。しっとりジューシーに炊き上がるチキンとおこげがアクセントになった、ぱらぱらとほぐれるジャスミンライスが大満足な一皿です。お好みのソースで味変してお召し上がりください。
海南鶏飯(ハンナンチキンライス)
【材料】4~5人分
ジャスミンライス | ... | 500g |
水 | ... | 600ml |
鶏油またはねぎ油 | ... | 50g |
にんにく | ... | 20g |
生姜 | ... | 20g |
塩 | ... | 4g |
鶏もも肉 | ... | 1枚 |
塩 | ... | 小さじ1/2(鶏もも肉のグラム数に対して1%) |
胡椒 | ... | 少々 |
紹興酒または酒 | ... | 少々 |
パクチー | ... | 1茎分 |
【手順】
- 1.鶏もも肉に下味をつけて6時間から一晩漬けておく。
鶏もも肉に塩(鶏もも肉の1%)、胡椒、紹興酒または酒で下味をつけ、6時間から一晩漬けておく。
- 2.野菜を切り、米は軽く洗う。
にんにくと生姜はみじん切り、パクチーは根元を取り4cm程の長さに切る。
米は1回軽く洗う。(洗いすぎると米が割れたり、香りが飛んだりするため1回でOK。浸水はしない。) - 3.予熱した鍋に鶏油、にんにく、生姜を入れて炒め、香りが出たら米と水を加えて加熱する。
鍋を弱火で炒め、鶏油、にんにく、生姜を加えて炒める。
香りが出てきたら米と水を加えて軽く混ぜ、火力を強火にする。 - 4.塩、鶏もも肉、パクチーの根元を加える。
塩を加え、鶏もも肉は皮目が上になるようにして置く。パクチーの根元を加える。 - 5.沸いたら蓋をして弱火で炊く。水分が無くなったら火を止める。
沸いたら蓋をして弱火で炊く。10分程したら蓋を開け、水分が無くなっていたら火を止める。(水分が残っていたら蓋をしてさらに2分程炊く。) - 6.弱火にかけた時間と同じ時間蒸らして蓋をしたまま弱火にかける。
火を止め、弱火で炊いた時間と同じ時間(10~12分)蒸らす。蓋をした状態で底面を少し回しながら2~3分弱火にかけ、余分な水分を飛ばす。
- 7.チキンを切り分けて皿に盛り付けて完成。
チキンを取り出し1cm程の厚さに切り分ける。炊き上がったジャスミンライスを器に盛りつけ、チキンとパクチーを添えて完成。お好みで醤油やチリソース、ねぎ生姜ソース(※)をかけてお召し上がりください。
※ねぎ生姜ソースの作り方
【材料】生姜150g、ねぎ150g、塩10g、ねぎ油180g
1.生姜をすりおろして汁を絞る。ねぎは小口切りにする。
2.生姜、ねぎ、塩をボウルに入れ均等になるように混ぜる。
3.ねぎ油を熱して3~4回に分けて2のボウルにかける。(かけて混ぜるを繰り返す。)
4. 氷を当ててすぐに冷やして完成。
鉄鍋では、思いもよらない意図していないことがおきました。
なにしろ早く炊き上がる。米が立つ。おこげもちゃんとできる。しかも肉や野菜などの食材から出る出汁がなぜか濃い気がします…。
料理の出来上がりがふっくらやわらかいのは、蓋の高さがあるからかなと思います。蒸気が循環しているのでしょう。
レシピ/料理 平野鉄夫
【プロフィール】
東京の高級ふかひれ専門店の老舗・筑紫樓をはじめ、様々な名店で修行。銀座でシンガポール料理店の料理長を務めた後、東京・世田谷にレストラン「東京夜市」をオープン。化学調味料などを使わない身体に優しい調理や、食材へのこだわりで知られる。