「炊く」とは1.焼く工程と2.水分で調理する工程を組み合わせて、比較的短時間で行う調理法です。今回ご紹介する「炊く」料理はとろける白菜と香ばしい焼き目が美味しい鶏手羽のスープです。冬の寒い日にお腹も心も温まり、ほっと一息つく一品です。鉄鍋ならではの食材を「焼く」工程で旨味を引き出し、「蒸す」工程でワインの香りを纏わせ、水分を加えて「煮る」ことで味の深みが増します。柚子やディルを加えると香りのハーモニーがさらに深まります。
鶏手羽と白菜のとろとろ煮スープ
【材料】4~5人分
鶏手羽元 | ... | 8本 |
白菜 | ... | 1個 |
ローリエ | ... | 2~3枚 |
にんにく | ... | 2片 |
オリーブオイル | ... | 大さじ3 |
白ワイン | ... | 50ml |
塩 | ... | 適量 |
ブラックペッパー | ... | 適量 |
水 | ... | 800ml |
柚子 | ... | 1/2個 |
ディル | ... | 適量 |
生姜 | ... | お好みで1スライス |
【手順】
- 1.下準備をする。
白菜は縦に切って4等分にする。鶏手羽元は塩で下味をつける。
- 2.予熱した鍋にオリーブオイルを馴染ませてにんにくを入れる。
鍋を火にかけて熱し、オリーブオイルを馴染ませる。火力を極弱火にしたらにんにくを入れる。
- 3.油を下にして鶏手羽元を焼く。
にんにくに色がついて香りが出てきたら鶏手羽元を入れる。鉄鍋を傾けて鶏手羽元の下に油が入るようにし、鶏手羽元は焼き色がつくまで動かさないようにする。 - 4.鶏手羽元を取り出し白菜を入れて蓋をして加熱する。しんなりしたら白ワインを入れる。
鶏手羽元の全体に焼き色がついたらバットなどに取り出す。鍋に白菜を入れて蓋をして加熱する。白菜が少ししんなりしたら白ワインを入れ、蓋をして2~3分待つ。 - 5.弱火にして2~3分したら鶏手羽元と塩を入れて蓋をする。
火力を極弱火から弱火にする。2~3分したら鶏手羽元と塩2つまみを入れて蓋をする。 - 6.水を加えて中火にし、塩とローリエを加える。
5分程したら水を入れ、水面がことことするくらいの中火にする。塩3つまみとローリエを加えて蓋をする。(生姜を1スライス加える場合はこのタイミングで加える。)
- 7.アクを取りながら煮る。水が張ってきたら蓋を開けて火力を弱める。
時々蓋を開けて様子を見て、アクが出てきたらその都度取る。蓋の周りに水が張ってきたら蓋を開け、火力を少し弱める。具材が浮かないように時々沈めながら煮る。 - 8.30分したら塩とブラックペッパーを入れる。
水を入れてから30分程したら蓋を開けて塩3つまみとブラックペッパーを入れる。 - 9.味を調えてディルと柚子を加える。
5分したら味を見て塩とブラックペッパーを適宜足して味を調える。ディルを加えて柚子を搾り入れたら完成。
鋳鉄製の本体と蓋の形状が特徴的な鉄鍋は、焼く、煮る、蒸すが混在しているのが醍醐味。
自分流の料理へカスタマイズができる道具だと思う。
蒸したり、煮ている間は時々見てあげるだけで、何か他の料理を作りながら作ったらいいと思いますよ。
レシピ/料理 伊藤勝康
【プロフィール】
岩手県のフレンチレストラン「ロレオール」オーナーシェフ。岩手の生産者たちと連携しながら、地産地消をコンセプトにしたメニューで、岩手の食材の魅力を県内外に発信している。2011年の東北震災後、被災地域に赴いて炊き出しを行なったことは、県内外の多くの人の共感を呼んだ。2011年、農林水産省・料理マスターズブロンズ賞を受賞。2017年、同シルバー賞受賞。