久仁子のへや

『年新賀恭 所造鋳郎十源川及』 の年賀状

皆さま

新年あけましておめでとうございます。

昨年中は、岩手の南部鉄器製造メーカー及源鋳造株式会社、その直売店のOIGENファクトリーショップ、シェフの皆さんに向けた浅草ギャラリーともども大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。

昨年、私が一番うれしかった「ものづくり」は、solaの吉武広樹シェフからご依頼のあった薪を使ったコンロの制作です。コンロは鉄板の溶接で作られますので、鋳物屋の仕事の分野ではありません。しかし、シェフの熱量の大きさに応えたいと思ったことと、OIGENの中に溶接技術があったことで、お引き受けいたしました。12月初旬に無事納品され、今シェフにガンガン使っていただいているわけです。

https://sola-factory.com/

今は販売していないけれど、街路用やフェンスなどの公共鋳物もオリジナルデザインで制作していた私たちには、その溶接の技術やものづくりのこだわりがしっかり残っていたこと。これが鉄器を愉しむだけではなく、鉄を愉しむ。というところへOIGENの可能性を引き上げてくれました。

一番うれしかった「お客様の言葉」は、【工場の皆さんが挨拶をしてくれます。とても気持ち良いです】というものです。鉄器やデザインに関してだけではなく、OIGENというブランドは社員一人一人の行動からにじみ出てくることだからです。予約制ではありますが、工場見学も行っておりますので、どうぞいらっしゃって見てください。

さて、昨年末に、アベさんというお客様が「ファクトリーショップに飾ってください」と、とても珍しいものを、もっていらっしゃいました。なんと大正4年当時の及源鋳造―及川源十郎鋳造所―の年賀状なのです。 

 

今年の及源鋳造の年賀状(右)と並べてみましたので、どうぞご覧ください。この二つの中に104年があると思うと、嬉しくなります!

そして、今年の年賀状の104年後はどんなものだろうか。と思ってしまいます、もしかしてその時代は紙媒体ではなくなってしまうのかもしれませんが、新しい年を迎える日本の伝統がなくなってほしくはないなと感じます。

そして新年にもう一つ。

田茂山鋳物師たちが数多く眠る曹洞宗宝全寺。年が明けると我が家ではお墓参りに行き、そこで釣鐘を鳴らします。

この釣鐘には、昭和29年8月15日、製造者及川源十郎の銘が鋳込まれています。今から65年前。当時の及源鋳造は仏具の製造もおこなっていたことがわかります。

娘は今年、年女。釣鐘をゴーンと寒空に鳴らしました。

 


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