風土よみもの

南部鉄器に吸い寄せられて、岩手県奥州市水沢で五感満足旅 -後編-

日々の暮らしが雑になりがちな南部鉄器初心者の小野が、気になって仕方がなかった鉄瓶デビューをした結果、日常の幸福度が上がった体験談に触れた前編に引き続き、後編では南部鉄器がきっかけで出会った岩手県奥州市水沢の素敵なお寺についてご紹介します。オイゲンファクトリーショップから車で約15分圏内で立ち寄れる、五感を刺激してくれるオススメのスポットです。

知る人ぞ知る?立ち寄って大正解の二大寺院

2019年9月。南部鉄器を求める旅の帰りに、何の前情報もなく道ゆくままに訪れた2つの寺院があったのですが、これが立ち寄って大正解のスポットでした。1つ目に立ち寄ったのは「黒石寺」。オイゲンファクトリーショップから車で約15分程の距離にあります。次に訪れたのは「正法寺」。ここは黒石寺から車で約5分のところにあります。異なる雰囲気と世界観を醸し出す2つのお寺を、このわずか5分の距離でどちらも楽しめてしまうので、とってもオススメです。

1,300年の時を生きる深呼吸したくなるお寺 妙見山 黒石寺


何の前情報もなしに訪れた黒石寺ですが、帰宅後に調べたところ「東北最古のお寺」として、1,300年前に創建されたお寺なのだそう。旧暦正月7日から翌朝にかけて行われる「蘇民祭」が行われるスポットとしても有名で、お祭りでは地元の男性が上半身裸にふんどしでマイナス気温の中、厄災を払い五穀豊穣を祈願して「蘇民袋」を奪い合うのだとか。

また、きちんと予約をするとご住職が案内をしてくださるという特典付き。何でもこの1,300年の間に5回の火災や多くの災害に見舞われた土地でありながら、御本尊である木造薬師如来座像(国指定重要文化財)を含む19体の仏像は金箔が剥がれるも、凛々しい表情はそのままに現存しているそうです。

さてさて、まずは現地に着き駐車場へ。道路を挟んで向かいには軽食やドリンク、お土産コーナーもある「東光庵」が。無料休憩所も併設されているそうです。そのすぐ隣には涼やかな竹林と、小川を発見!これは夏場に涼みに立ち寄るのもぴったりの場所ですね。

では、はりきって階段を登っていきます!

階段を登り切ると、あらたいへん。気になるポイントがいっぱいです。まずは真っ先に目に飛び込んできたのがこちら。鉄製の狛犬です。鉄鋳物の土地ならではのものなんだろうなぁと、歴史の一端を感じてしみじみ。鉄製の狛犬に出会ったのは人生初でした!


ほんのり緑が芽吹いている様子に、心なしか狛犬の表情も優しく見えます。そして大迫力の薬師堂へ。

堂々と薬師堂を守る龍の、彫りの細かいこと!流れるヒゲやたてがみが今にも動き出しそうです。現在の薬師堂は1884年に花巻の名工高橋勘次郎氏が建てたものだそうですが、堂々とした佇まいと繊細さに圧倒されます。そしてどうしても気になってしまった、手の裏の肉厚な肉球…!その他にも、素人目線で気になったポイントをご紹介させてください。

1つ目は、至る所に奉納されている鉄の剣です。黒石寺の境内は広く、ぐるっと全体を回るなら歴史を感じながら30分以上楽しめるようなスポットですが、その至る所に鉄の剣を見つけることができます。

柱の上部や壁、中にはこんな巨大なものも。

気になりますねー!そして先ほどの薬師堂に戻り、床から天井までをぐるっと見渡します。床は木材の節をそのまま活かした作りになっていて、これもお寺では初めて目にしました。

この放射線状に伸びる板の作りも気になります。どれぐらい緻密な設計をしたら、これほど綺麗に並べることができるのでしょうか…。当時の技術に思わずため息が出ます。

さらに境内を正面から右へ移動してみます。すると今度は「御供所・鐘楼」という山吹色っぽい建物が見えてきます。

1階は御供所といい、以前は御本尊に供える供物を準備するところだったそうです。2階は鐘楼で梵鐘が吊るしてあります。

みずみずしい植物たちに囲まれ、季節ごとに様々な表情を見せてくれそうです。特に黒石寺は紅葉が多く並び、秋にはまたガラッと変わった景色が愉しめそうです!中にはハートが隠れた紅葉も…!ちょっぴり幸せな気持ちになりました。

緑に囲まれ、大きな深呼吸が気持ちいい、空気が凛と澄んだスポット黒石寺。また来たくなる特別な場所が増えました!

妙見山 黒石寺
℡ 0197-26-4168
住所 岩手県奥州市水沢黒石町山内17
拝観 9:00~16:00
休日 不定休

国指定重要文化財のお寺でお茶っこ 大梅拈華山 圓通 正法寺

黒石寺を後にし、そこから車で約5分。吸い込まれるようにして次のお寺「正法寺」へ。またもや何の前情報もなくインスピレーションのままにお邪魔しました。すでに入口の惣門からただならぬ雰囲気を感じます。

惣門をくぐる前に、門から向かいの駐車場にある受付で拝観料(大人500円、中学生300円、小学生200円)をおさめてから門の前の橋を渡ります。流れている小川のせせらぎに癒されます。

そしてどーんと目に飛び込んでくるゴツゴツした石階段。正面から見て、向こうが見えない程高く積まれているハードな造りです。後から知ったお話では、昔々の権力者も馬から降りて自分の足で登るようにという、「人々は平等」との意味が込められているそうです。

惣門をくぐると、天高くそびえる茅葺き屋根の庫裡や法堂が見えてきます。どちらも国指定重要文化財であり、法堂は日本一の大きさを誇る茅葺き屋根なのだとか!

あまりの大きさと迫力に写真も見切れ気味に。棟中央には伊達家の家紋である「竹に雀」を発見。伊達家との繋がりを感じますね。引いて見ると、(下)写真の左側が法堂・右側の建物が庫裡です。

中を見学させていただくため、庫裡の総受付から中へ。

すぐ右隣には鐘楼堂が見えます。江戸末期の建築という鐘楼堂は外から見てもため息の出る美しさ。この鐘楼は現在も定刻に時を知らせる音を響かせているそうです。

鐘楼の手前には御朱印受付で、拝観後御朱印をいただきにんまり。また1つ、岩手での素敵な思い出が増えました。

建物内は撮影NGのため、目に焼き付けながら奥へと進みます。隅々まで磨かれた建物内。
長く、大切に大切にされてきた建物独自のあたたかな空気感として伝わってきます。廊下を進み階段を登っていくと、何と鉄瓶置いてあります!よく見ると「文福(ぶんぶく)茶釜」の文字が。そうです、あの昔話に登場する茶釜の題材となった茶釜にも出会えるのです。念願の鉄瓶を購入しほくほくしていたところに、鉄瓶にまつわるお話に触れることができてテンションうなぎ登りの小野。後から知ったのですが、正法寺にはこの文福茶釜を始め七不思議があるそうで…。ワクワクが止まりません。

庫裡から階段を渡り法堂へ。廊下を渡り階段を登り…。中から見える外の景色は、外観から受けた印象とはまた違う表情となり目に映ります。視点が変わるだけでガラッと印象が変わるのも不思議な体験でした。

茅葺き屋根など、端々にみずみずしい命が芽吹いていて、時の流れと共に自然と共生してきた歴史を感じますね。

お庭にもストーリーのある岩や池などがあり、興味津々です。さらに、正法寺では季節ごとに様々なイベントが催され、四季折々の情景と共に楽しむことができます。また予約をすると、精進料理をいただく体験もできるとあって、再び訪れることを決意。約670年の歴史ある国指定重要文化財である建物内でいただけるのだそうです…!さらに精進料理は拝観のご案内セット!お寺の歴史を目で見て耳で聴いて、さらに舌と匂いで触れられる、まさに五感に響く体験を満喫することができます。
※現在は新型コロナウイルスの感染拡大により、中止中となっております。詳細は正法寺公式HPをご確認ください。

建物の中をぐるっと巡る途中で、「お茶をお出しするので寄っていってください〜」とお声がけが。こんな貴重な空間でお茶をいただくことができるのですか…!感動の連続です。広間にてお茶とお菓子をいただき、ほっと一息。ゆったりとした癒しと、背筋が自然としゃんとするような心地よい緊張感が共存する空気感が流れ、普段感じることができないような価値に触れられます。ぷらっとお寺旅。オススメです。

大梅拈華山 圓通 正法寺
℡ 0197-26-4041
住所 岩手県奥州市水沢黒石町字正法寺129
拝観 9:00~17:00(11月~3月は16:00まで)
休日 無休
拝観料大人500円、中学生300円、小人200円

岩手県奥州市水沢
南部鉄器満喫からの歴史を堪能する五感旅ルートまとめ

仙台から1時間ちょっとで、五感で楽しめる体験と出会いが待っています!幸福度が上がるちょい旅で心の栄養補給を。

●仙台駅→オイゲンファクトリーショップ
新幹線の場合:約45分+水沢江刺駅より徒歩約10分
●オイゲンファクトリーショップ→黒石寺
車の場合:約15分
●黒石寺→正法寺
車の場合:約5分

文・写真:kumiki 小野 千怜

1990年生まれ。
宮城県丸森町出身。
大学で音楽を専攻し卒業後は8年間フリーマガジンの編集として数々の記事を執筆する他、
女性ターゲットのイベントを企画し「好き」に出会えるきっかけを提案。
2019年11月よりフリー編集者として活動中。


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