及源鋳造のものづくり

まさかの猫の急須!?急須クロネコの誕生秘話

2006年に得意先のパリのお茶屋の社長様から「猫の形のteapotは作れませんか?」とお問い合わせがありました。
鉄鋳物のteapot=急須は丸い形のものが大半で、鋳物の元となる型も石膏の回転体で作っていきます。
鋳物の急須は型を半分ずつ作って鉄の肉厚をほぼ同じにしなければなりません。
なので、動物の形の鋳物の急須がない理由は作り方の難しさにあります。

私たちは、しばらく考えたうえでこのお話を引き受けることとしました。
職人としてのものづくりの血が騒ぎ・・・猫のティーポット猫のティーポット2006年。こんな形はどうだろうか? ↑当時のデザイン画

猫の手からお茶が流れるそんなイメージで 800cc の猫の急須のデザインをして、いよいよ原型づくりに入ります。
原型は鋳物原型づくりの職人及川松美さんと粘土で形を作るところからスタート。

及川松美さんとは

及源鋳造のモノづくり
石膏原型職人の及川松美さんによる、モノづくりにまつわるインタビュー記事。

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及川松美さんがある程度形を作ったところで言いました。
「この骨格あってる?動物の骨格難しいんだよね」そこで声をかけたのが、及源鋳造の裏で動物病院を営む大瀬獣医師。
大瀬先生に粘土の猫を見てもらったところ「ちがうねぇ」の声が。先生のアドバイスの下、再度松美さんは粘土をいじり始めました。あまりにリアルにしたら可愛らしくないし、急須としての機能もしっかりと持たせたい。そして出来上がったのが急須クロネコです。

ちなみに 600cc のじゃれ子猫の粘土を作るときも大瀬先生登場。子猫と成猫では目の位置や額の広さが違うのだそうです。ふたつの猫の急須をご覧ください。松美さんの苦労の跡が!!!猫のティーポット

その粘土の猫たちは、無事石膏に置き換えられていよいよ OIGEN のモノづくりチームにバトンタッチされました。
猫の空洞部分をつくる。ここが苦労と工夫の見せどころ。
一回目の試作は、大きな穴があきました。なんとも見事に。
みんな大笑いしながら、冷や汗をかく・・・ここでは現場の型作りベテラン職人が登場。
一つ一つ丁寧に不良の原因を改善していき、猫の急須はカタチになっていきました。

そうそう、急須は内部にほうろう(ガラス質のコーティング)を引きます。猫の急須の内部は複雑な形に出っ張ったりへこんだりしていますので、ここでもほうろう引きの技術力が試されました。

工場の中に猫が並んでいる風景は妙なものでした。猫たちは何事もなかったかのように台車の上に鎮座して。そして、猫の急須は無事パリへと海を渡り得意先のカタログに掲載されました。猫のティーポット↑2007年パリの得意先のカタログに掲載される。

以上、猫の急須のモノづくり秘話、いかがでしたでしょうか?かれこれ15年以上前の話です。
2022年2月22日は、「にゃーお。にゃーにゃー。にゃーにゃーにゃー」のこれぞ猫の日!OIGENwebサイトでは、このゴロの良い日のために猫の急須をご用意して限定販売いたします。(※終了いたしました。)猫のティーポット左 じゃれ子猫 600cc  右 クロネコ 800cc

 

猫の急須 猫の急須

 

 


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