風土よみもの

日本仏教・曹洞宗の修行僧とともにある南部鉄器

岩手県奥州市水沢黒石町に位置する「大梅拈華山圓通 正法寺(以下、正法寺)」。その法堂(本堂)は日本一の大きさを誇る茅葺屋根を備え、国の重要文化財に指定されています。

また、修行僧が仏道修行に励む、曹洞宗の「専門僧堂(せんもんそうどう)」としての役割を担っている正法寺。修行僧が日々行う修行「行持」を通して、己事究明に取り組む場となっています。

実は、そうした正法寺で生活をする修行僧の行いの中にOIGENの南部鉄器が使われている場面があるのです。はたして、その鉄器はどのような役割を果たしているのか。今回のインタビューでは正法寺で知客補兼侍者を務める宇津野 弘道さんにお話を伺いました。

<音で伝わる、音で動く>

まずは正法寺で行持に取り組む修行僧の方々がどのような生活をしているのか、そのお話から。

「正法寺のような専門僧堂では、『年分行持』、『月分行持』、『日分行持』というように年、月、日単位で行う修行内容が予め決められています。日々の坐禅修行や法式声明・進退作法の学習に取り組みながら、月次、年次の行持に取り組む。また、講義や布教教化の実践を通して、法事・通夜・葬儀等住職としての素養の修得を目指し、参究・実践に取り組んでいます」(宇津野さん)

そうして様々行う取り組みの中でも、中心となっているのが坐禅修行。起床してから明け方に行う「暁天」などのほか、「夏季攝心(かきせっしん)」・「臘八攝心(ろうはつせっしん)」・「断臂攝心(だんぴせっしん)」などの、期間中朝から晩まで一日中坐禅を続ける行持「攝心」に取り組みます。

「坐禅は1回あたり約40分間行います。この40分という時間は、線香に火が点いてから消えるまでの時間からきています。そして坐禅の始まりや終わりには必ず鐘を鳴らす。他にも行い一つひとつの区切り毎に鐘を鳴らします。『この音がしたらこれをする』『次はこの音が鳴ったからこれをする』といった具合に、音が合図になる。修行僧は音で動くんです」(宇津野さん)

<南部鉄器が鳴らす音>

OIGENの鉄器が担っているのは、そうした「音」を伝える役割。使われるのは、毎年12月1日から8日まで行われる臘八攝心でのこと。12月8日に仏道を成就されたお釈迦さまの坐禅を追慕するため、集中的に坐禅に取り組むこの期間に、OIGENの鉄器が使われています。

「臘八攝心の間は、朝起きてから夜寝るまでの間、いつも以上に回数を増やして坐禅に取り組みます。それだけ真面目に坐禅に取り組むと修行僧の中でも、不安なことや疑問に浮かぶことが出てくる。そのため夜の坐禅時間に指導役の僧侶に質問や相談のできる部屋が設けられるんです。OIGENさんの鉄器が使われるのはその部屋の中でのこと。誰が相談に来ているのか、またどんな内容を話しているかがわからなくなるように、その部屋の周りはほとんど灯りをつけていません。その部屋の前に来た修行僧が訪れたことを伝える合図を送り、その返答として指導役の僧侶が小さい鈴を鳴らす。鈴の音が聞こえたら、修行僧は部屋に入り、相談や質問を始めます。その鈴に、OIGENさんの南部鉄器を使わせていただいています」(宇津野さん)

<作法を通して、長い年月を重ねていく>

「音」で伝えられた合図を頼りに、行持に取り組む。そうした修行の日々は正法寺で約670年。曹洞宗としては約750年続けられてきた行いです。

「私たちの日々の生活は2500年前にお釈迦様が言い残されたことを教本としています。その行いは決して変えてはならないこと。信仰というのは形のないものですが、それをこれからも伝え残していく必要がある。そのためには我々が考え方を作法として続けていくことで、残していくしかないんです」(宇津野さん)

「かつてあったもの」のような記録として形に残すのではなく、日々の作法を通して仏教の考え方を伝え続けていく。臘八攝心で使われるOIGENの南部鉄器は、そうした正法寺で継承され続ける日本仏教・曹洞宗の考え方や作法とともに、これからも長い年月を重ねていきます。

 

文 宮本拓海(みやもとたくみ)
1994年生まれ。岩手県奥州市出身。
2019年4月よりフリーランスライターとして活動中。
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