風土よみもの

半世紀にわたる挑戦! 温泉とお米で育った国産ほろほろ鳥を食卓に。

ほろほろ鳥を知っていますか?

日本人にとって「とり肉」と言えば「鶏肉」ですが、フランスなどのヨーロッパの国ではさまざま種類の「とり肉」がスーパーや市場にも並びます。その一つがほろほろ鳥。高級レストランから家庭の料理まで使われる一般的な食材です。日本ではフランス料理などのレストランに行かないと、なかなか口にする機会はないかもしれません。

ほろほろ1

各地の一流料理人から「料理してみたい」とラブコールが止まない生産者が、宮沢賢治と温泉で有名な岩手県花巻市にいます。約半世紀もの間、日本で唯一ほろほろ鳥を専門で育てる「石黒農場」です。

ほろほろ2

|「澄んだ味がする…」15年取り組む循環型農業が育てる味 |

石黒農場のほろほろ鳥の特徴は「透明感がある澄んだ味」と表現したのは、「OIGEN鉄器×石黒農場ほろほろ鳥 特別セット(※販売終了しました)」のレシピを監修したレストランときよじせつ(岩手県北上市)小野寺シェフ。雑味がなくコクのあるうまみがストレートに味わえると話してくれました。フランスなどから輸入されるほろほろ鳥は、肉質が野性的で、時にジビエ的なクセがあることがあるそう。

それもそのはず!?ほろほろ鳥はアフリカ原産。そんな熱い地域で育つ鳥なのに、石黒農場は東北の岩手県にあります。寒さに弱く繊細なので、実は寒い岩手で育てるのは至難の業です。そこで辿り着いたのが、「温泉床暖房方式」。石黒農場があるのは岩手県の有名温泉地「花巻温泉」。湧き出る温泉を飼育小屋の床一面に引き入れています。小屋の中で自由に動き回る鳥の糞が、床からの熱で乾燥するため衛生的で、糞の匂いが肉につくことはありません。

ほろほろ3

そして、肝心の餌は、創業者の息子で現在農場を取り仕切る石黒幸一郎専務が自ら育てるお米を中心に、ひえ、あわ、アマランサス、キビなどの雑穀、配合飼料を混ぜたもの。配合飼料もホルモン剤や抗生物質は入っていないものを選んでいます。「皮目を焼くとおせんべいの味がするって言う人もいるくらいよ」とうれしそうに教えてくれた。

「あたりまえだけど、畜産はね、食べたものと育つ環境が味に影響するんだよね。」と石黒専務。「理想は循環型がテーマだったから、試行錯誤して今があるよね。」そうやさしく微笑む。床暖で乾燥した糞は田んぼに撒いて肥料に。そこで育ったお米を餌にして、大切に育てる。循環型の飼育方法に取り組み始めて15年。

ほろほろ3

小野寺シェフ曰く、石黒農場のほろほろ鳥でおすすめなのは、「全部です」と前置きをしながら、レバーなどの内臓、ガラのスープ、次にむね肉と教えてくれました。自然の循環の中で、ていねいに育てられているからこそ、嫌な臭みがない内臓や澄んだうまみがつまったスープが取れるのです。一般的な鶏肉だとパサパサしがちなむね肉は、絶妙なテンダーさとジューシーさで料理人の間では、もも肉よりも人気なのだとか。

| 一流料理人御用達のホロホロ鳥専門農家「石黒農場」|

そもそもなぜほろほろ鳥を育てることになったのでしょうか。

戦前から親戚・家族が東京、仙台や盛岡で割烹料理を営んでいた石黒家。冬は自慢のフグ料理を出していましたが、夏の看板料理がない。紆余曲折を経てキジの飼育に挑戦してみることを思いつきます。しかし、キジは日本の国鳥。そもそも日本にはキジを食べる習慣もなく、飼育方法も簡単には分かりませんでした。そんな時、フランスにはキジ科のほろほろ鳥という鳥がいて、なにやらフランス料理には欠かせない食材だという情報を得るのです。

埼玉県の動物園にほろほろ鳥がいることを調べ、そこから5羽分けてもらうところから飼育をスタート。最初は飼育方法も動物園に教えてもらったそうです。飼育開始から約半世紀、現在はその数40,000羽にまで増えました。2019年には木村拓哉さん主演のあのドラマのレストランでも、第二話のキー食材として使われていたほどです!

ほろほろ3

| ところで、国産鶏は食料自給率を下げている!? |

循環型農業に取り組み始めたきっかけは、「国内の畜産は食料自給率を下げている」という農大の先生に言われた一言だったと石黒専務が教えてくれました。「俺ね、畜産やっているんだから日本の食料自給率に役立っていると思っていたわけ。日本の自給率って30%程度*で低い低いって言われているじゃない。でも、俺んところは国産なんだから(大丈夫)って思ってね。」

国内で人が食べる食料のうちどの程度が国産でまかなえているかを示す指標が「食料自給率」なのですが、その計算には「飼料自給率」という指標が反映されているのです。養鶏農家をはじめ、国内の多くの畜産農家は餌に配合飼料を与えていますが、その材料となるトウモロコシや大豆などはほぼ外国からの輸入に頼っているのが現状。畜産で肥料をすべて輸入に頼っていると、結果的に食料自給率を下げてしまうということなのです。

ほろほろ3

ちょうど同じころ岩手県でお米の生産の制限を農家に要求する「減反政策」が行われたことから、自家生産のお米をほろほろ鳥の餌にしてみることを思いつき、それ以来、今まさに注目されている循環型農業に時代に先駆けて取り組むことになったのだそうです。

※農林水産省より:最新平成30年現在のカロリーベース食料自給率は37%。アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%と比べると、日本の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中で最低の水準となっています。

|あなたの食卓で!やわらかい肉質、うまみがつまった肉汁に舌鼓 |

そうして作られた、雑味がなく「澄んだ」うまみいっぱいのジューシーでやわらかい、温泉とお米で育った生粋の岩手っ子、石黒農場のほろほろ鳥。レストランはもちろんですが、日本の家庭料理にこそよく合うそうです。

が、しかし!

石黒農場のほろほろ鳥は、レストランからの注文でほぼ売り切れてしまいます。一部だけ自社のオンラインショップで家庭向けに販売はしていますが、生肉はほとんど出回りません。

ですが現在、新型コロナウィルスの影響もあり、4月に入ってからレストランからの注文が激減しています。

いつもはレストランでしか味わえない国産ほろほろ鳥のおいしさを、この機会に家庭で味わってもらいたいと、OIGEN鉄器と石黒農場ほろほろ鳥の特別セットをOIGENオンラインショップにて期間限定販売します!(※2020年7月を持ちまして販売を終了しました)


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