及源鋳造のものづくり

1963年ー 4代目源悦郎アメリカ視察の旅

2020年6月のある日、OIGEN工場の隣にある蔵と昔の機関場の解体が行われました。

どちらも、2011年3月に発生した東日本大震災の影響で屋根や壁が変形していた建物。いつ壊れてもおかしくない状態だったことから、解体することを決め、建物内にある道具の整理を行いました。

すると出てきたのは、棚やおひつなど古くて趣のある道具や本、書類など。そこで見つかったのが、「米国鋳物工場調査書」と書かれた資料です。同じ袋の中には、アメリカの企業のパンフレットや視察の記録、写真が入っていました。


写真は、蔵から見つかった書類や資料

資料を見てわかったのは、1963年にOIGEN及川源悦郎会長(4代目社長)が「鋳鉄視察団」の一員としてアメリカに訪れていたということ。また、この資料を持って源悦郎会長に話を聞くと、この視察研修がOIGENの鉄器づくりに大きな影響を与えていたことが判明しました。アメリカでの視察研修からOIGENのモノづくりがどんな影響を受けたのか、この記事ではその詳細をご紹介します。

源悦郎会長がアメリカに訪れた1963年は、日本が高度経済成長期の真っ只中を迎えていた頃。当時31歳で工場長を務めていた源悦郎会長は、学生時代に研修先であった「株式会社 池貝」に勤めていた大学の先輩から声をかけられ、「公益財団法人 日本生産性本部」が主催する「米国鋳物工場調査(視察)」に参加しました。

「当時は1ドル360円する時代。様々な企業がアメリカを先生として、会社経営や先進技術を学んでいた頃。そんな中でアメリカに行くっていうことは周囲からするとすごく大事(おおごと)でね。地元の鋳物組合の人たちに壮行会まで開いてもらって、出発したんだよ(笑)。そうして行って、7月から1ヶ月近く滞在したね」






視察研修で訪れたのはサンフランシスコやシカゴ、ニューヨークなどたくさんの都市。自動車メーカーや航空会社など、鉄製品を扱う企業を見学したそうです。また、建築物の前にある鉄鋳物製の街路灯やオブジェにも鋳物の可能性を感じた旅でした。

源悦郎会長は様々な企業を訪問しながら、アメリカで作られている製品よりも、従業員の働き方や工場内の設備に目を引かれたと言います。

「その頃のOIGENは焼型で鍋や釜、鉄砲風呂を作っていた。どの作業も手作業でね。地べた(地面)を見ながら、腰を曲げて作業することがほとんどだったんだよ。でもアメリカの企業は近代化が進んでいて、みんな安全な格好ですっと立ったまま仕事をしていた。やっぱりぜんぜん違う。うちが遅れていることをすごく感じたな」


写真は、アメリカ視察団のメンバー表

アメリカの企業を見学しながら、製造作業の近代化による作業効率や安全性の違いを実感した源悦郎会長。研修を終え、帰国し、工場に戻ると早速学んだことを実践に移していきます。

取り組んだのはアメリカで「違いを感じた」作業の近代化。鉄器づくりに従事する人達の働き方や環境を整えるため、半自動の造型ラインを導入します。
その後、デンマーク製の鋳型造型機をも導入。この機械を使うことで、従来の方法より早く正確に商品をつくることが可能になりました。

「一緒に視察に行った方から、望月さんという方を紹介していただいたことで、デンマーク製の造型機の事を知って、うちの工場でも導入することを決めた。それまでは、1500度の鉄を扱うにはあまりに無防備で、やけどするのが当たり前な格好で、みんな腰を曲げながら作業をしていたけど、すっかり仕事の仕方が変わってね。いろいろ勉強をして、一緒に訪れた人との繋がりもできて、そのおかげでOIGENの鉄器づくりが変化しているから、そういう意味でもやっぱりアメリカでの視察研修はいい経験だったね」

アメリカ研修に訪れ、現地企業の作業の様子や視察団メンバーとの出会いをきっかけとして形づくられたOIGENの鉄器づくり。この視察研修が今のOIGENをカタチ作っていったのです。

文 宮本拓海(みやもとたくみ)
1994年生まれ。岩手県奥州市出身。
2019年4月よりフリーランスライターとして活動中。
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