毎朝「ニワトリってね……」と子供達に話す松本さん。
朝ごはんの話題も、エプロンの模様も、ニワトリ尽くし。
一緒に恐竜の本を読む時も、「ニワトリは恐竜の子孫なんだよ」と盛り上がります。
「だんだんニワトリ博士みたいになってきている」と奥様は言います。
木々が生い茂る岩手県奥州市の山の中で養鶏場を営む松本さん。
「まっちゃんたまご」は松本さんがこれまでに出会ってきたヒト・モノ・コトが繋がって産まれたたまごです。例えば、調理の過程で捨てられてしまう野菜や、製品を作る際に出るお米の粕など、“もったいないもの”の使い道に困っている人に出会うと「ニワトリたちと何か出来るかもしれない」と松本さんは考えるのです。
今は循環型農業の一員として、米もろみ粕を使ったニワトリの餌作りに取り組んでいます。
「ストーリーのあるたまごを地元の人たちに食べて欲しい」
そんな思いが「まっちゃんたまご」の源になっているのです。
松本さんが愛用しているOIGENのたまご焼き器。毎朝たまご焼きを作った後、油で手入れをするとツヤツヤ黒光りします。それを見ると「よし!」と気持ちが高まるそうです。毎日料理をする松本さんにとって、OIGENの鉄器は「日課」を「愉しいこと」に変えてくれる存在。
そんな松本さんの背中を見て育った息子さんは「僕は将来お父さんみたいになる」と話します。何度も何度も失敗して落ち込みながらお父さんと練習した鉄器のたまご焼きが今では一番の得意料理。
松本さんはこう話します。
「調理道具もたまごも野菜も、意識しなくても生きていけるものを、一つ一つ気にするようになると愉しいですよね。特別なことはしていないのに毎日がすごく特別な日になるんです。
鉄器をあたためる時、油を馴染ませる時、お米を炊く時。鉄器、油、お米、それぞれの作り手の方の笑顔が浮かんで『ストーリーがあるなぁ』と幸せな気持ちになります」
松本さんにとって、鉄器で料理をする時間は作り手とつながる時間なのです。