南部鉄器の老舗・及源鋳造|OIGENが、「鉄瓶と鉄急須の違い」について、表を交えてわかりやすくご説明します。
「鉄瓶と鉄急須の違いってなんですか?」とお客様からお問い合わせをいただくことが増えています。
見た目としてはよく似ていますので、混同してしまうお客様も見えるようです。
分かりやすく表と画像も交えて比較しながら解説いたします。
※「鉄瓶は大きいもの、鉄急須は小さいもの」と、“サイズ感”で見分けるという説も聞かれますが、サイズで呼び方が変わるわけではありません。「小さい鉄瓶」や「大きい急須」もあります。
鉄瓶と鉄急須の違い
鉄急須(お茶を淹れる道具) | 鉄瓶(お湯を酒かす道具) | |
内側ほうろう加工 | 有 | 無 |
直火やIHにかける | × | ○ |
鉄分の溶出 | × | ○ |
お茶を入れて煮出す | × | × |
水分を入れたまま長時間放置できる | ○ | × |
鉄急須の特徴
特徴
鉄急須は、蓋を外すとステンレスの茶漉しが付いています。そして急須本体の内部には”ほうろう”と呼ばれるエナメルのコーティングが施されています。少しテカリがありツルっとしています。
用途・お手入れ
鉄急須は、茶漉しに茶葉を入れてお湯を注いでお茶を淹れる道具です。ほうろう引きですので火にかけてはいけません。空焚きをしてしまうとほうろうが割れてしまう可能性があります。急須内部は、スポンジで洗うことができます。
外側はお湯で軽く洗って、良く拭いてください。
こんな方に鉄急須はおすすめ!
茶葉から淹れるお茶を飲みたい方
陶器の急須を壊した経験のある方(鉄急須は耐久性抜群)
海外のカフェで使われている南部鉄器の急須に驚いた方(海外輸出歴40年以上)
欧米への出張やご旅行でお土産をお探しの方
結婚などのお祝いの品として「いつまでも壊れない」「いつまでも熱々♡」という意味を込めた縁起物をお探しの方
鉄瓶の特徴
特徴
一方の鉄瓶には、ステンレスの茶漉しは付いていません。OIGEN鉄瓶の内部は「素焼き(高温で焼いて錆びにくくする工程)*」の状態です。OIGEN鉄瓶は釜焼き工程を行い、伝統的な錆止めを施しています。(※素焼きをした後、内部に漆を塗って黒くしている鉄瓶も2~3種類ございますが、ほとんどの鉄瓶は内部素焼きとなります。)
他メーカーの鉄瓶では、素焼きをせずにそのままシリコン塗料を塗っているものもございますので、ご確認の上お買い求めください。各メーカーによって鉄瓶の仕様は異なるので、サビに関するご相談や仕様に関しては各製造元にお問い合わせください。
用途・お手入れ
鉄瓶は火にかけてお湯を沸かす道具です。鉄瓶内部は洗剤やスポンジで洗うことがNGで、お湯が沸いたら使い切るかポット等の別容器に入れ替え、蓋を取って内部を乾燥させてください。サビの原因となるので、水やお湯は入れたまま放置しないでください。
こんな方に鉄瓶はおすすめ!
まろやかなお湯でお茶や抹茶、コーヒーを淹れたい方(角が取れたやさしい口当たりに)
日本の工芸が好きな方
新築祝い等のお祝いの品として南部鉄器をお探しの方(オール電化住宅の方へはIH対応鉄瓶がおすすめ)
「鉄瓶と鉄急須の違い」のおさらい
鉄急須 |
お茶を淹れる道具 |
直火NG |
鉄瓶 |
お湯を沸かす道具 |
直火OK |
鉄瓶と鉄急須は何十年も使い続けられる道具ですが、使い方を間違えると本体その物を痛めてしまうなんてことも…鉄瓶と鉄急須それぞれに合った正しい使い方で、愉しい鉄器ライフを始めてみませんか?
おすすめの鉄瓶
IH調理器にも対応する、容量0.8Lの小さい鉄瓶「平八千草0.8L」。女性やご年配の方でも無理なく扱えるサイズ感で、一人暮らしの方や新生活・新築祝いへのギフトにぴったりなおすすめの鉄瓶です。
鉄瓶 平八千草 0.8L
お揃いの鉄瓶と鉄急須
鉄瓶と急須の中には、同じデザインの商品がいくつかあります。そんな親子のような鉄瓶と急須をいくつかご紹介します。お揃いで使うのもかわいいですよ。
左:鉄瓶 八千草 1.2L
右:急須 千草 0.55L
鉄の工芸作家・廣瀨愼デザインの鉄瓶と急須。どんなインテリアにも馴染む模様が特徴です。モダンなのに優しいフォルムで、男女問わず人気です。
左:鉄瓶 平形糸目 0.9L
右:急須 平形糸目 0.4L
2枚貝のような美しさがスタイリッシュで、つまみの梅模様が南部鉄瓶の伝統を醸し出している平形デザインのお揃い。平な形は意外とお湯が注ぎやすいのも特徴。
まとめ
及源鋳造|OIGENがお届けする南部鉄瓶と南部鉄の急須。それぞれの違いについての疑問にお答えできていれば幸いです。朝や寝る前に、昔ながらの湯沸かし道具である鉄瓶で沸かしたまろやかな白湯で心も体を労わって。休日には、保温性が高い鉄急須でゆっくりとティータイムを。どちらも、鉄の工芸品ならではの重厚感と佇まいが、日常の中のひと時を手触り感のある確かな時間にしてくれます。