mastering|料理上手

パリパリ、しっとり、じゅわっ


食材の水分を調整しながら加熱する
「鉄器で焼く」という調理法

OIGENの3つの「焼き道具」-鉄フライパン、鉄鍋キャセロール、鉄グリルパン。カタチの異なる鉄器が体現する「焼く」という火入れは個性豊か。同じ鋳鉄製でも形状が異なるため、その特徴を活かして「焼く」コツと、その焼き上がりの違いを解説します。

mastering_フライパン_鶏もも肉

鉄器で焼く-鶏もも肉

 

 

 

鉄フライパン-ベーシックは押さえたい、
まとわせる油でクラシックに「焼く」

使用しているのはOIGEN独自の無塗装はだか仕上げが施された、鉄鋳物フライパンSOLITTO 24cm。皮目が広くジューシーな鶏もも肉を焼きます。SOLITTO 24cmの特徴である、角度のある持ち手や高めの側面が大活躍。肉から出た油をまとわせながら火入れする調理技法「アロゼ」を駆使して、王道の焼き上がりを目指します。

所要時間:約12分

 

 


 

 

ステップ

 

下準備の3ポイント-常温、筋、塩

冷蔵庫から取り出し常温に戻しておきます。太目の筋と余分な皮は取り除きましょう。調理中の熱ムラを減らすだけでなく、嚙み切れない食べにくさの対策にも。両面に塩を振り数分置くと水分が出てくるので、キッチンペーパーでしっかりふき取ります。丁寧な下準備が焼き上がりを変えます。


 

 

STEP 1 - 鉄フライパンを中火にかける

 

 

STEP 2 - 底面全体に馴染む程度の油を入れる

「焼き」はじめのベスト温度の見極めに塩を少々

手をかざしても、見た目にも、ちょうどいい塩梅の温度をジャッジするのは難しい。塩を一つまみ振り入れて、バチバチッと塩が跳ねたら、鶏もも肉投入の適温である160~180℃程度に温度が上昇したサイン。

油が100℃以下だと食材がくっつきやすくなるため気を付けたい。煙が出始めたらそれは高温になり過ぎているサインなので要注意。油を熱し過ぎると酸化が進み、食材の風味を損ないます。

 

 

 

STEP 3 - 適温になったら鶏もも肉を皮目から投入し弱火に

鶏もも肉から脂が出てきたら肉を持ち上げる

一度持ち上げたら、フライパンを軽く動かして皮目下全体に油と脂を馴染ませます。何気ないこの一動作で皮目のパリッと感が格段に変わります。

 

 

 

STEP 4 -トングで軽く押さえながら6~7分ほど皮目側を焼く

「バチッ」と強く跳ねる音は焼けていない合図

トングを動かしまんべんなく押しながら音に耳を傾けます。全体的にだんだんと音が静かになっていきます。「バチッ」と音がする箇所は集中的に押さえましょう。

 

 

 

STEP 5 -押さえても音がしなくなったらひっくり返し極弱火に

 

 

STEP 6 -スプーンを使って皮目に油を回しかける

調理技法「アロゼ」のポイントは”まとわせる”

鉄フライパンを少し傾けて、持ち手側の側面に鶏もも肉を沿わせます。手前に溜まる油をスプーンですくい、皮目全体を油でコーティングするイメージで回しかけ、その動作を続けます。

鉄フライパンの「焼き」の決め手は、「アロゼ」の工程にありと言っても過言ではありません。狙うのは、外側の水分を飛ばしパリッとした触感を実現しながらも、中の水分は保持ししっとりと仕上げること。水分が飛び過ぎてパサパサにならないように保護します。

 

 

 

STEP 7 -回しかける油の気泡が小さくなり、皮目がパリッときつね色になったら完成

 

 


 

鉄器という調理器具ー安定感に優れた火入れの道具

火入れで基本的に避けたいのは「焦げ」と「熱ムラ」だ。OIGEN鉄器は狙った温度帯を安定的に維持し、食材をのせても温度がブレにくく、均一に熱が伝わる調理道具である。エレベーターとエスカレーターの違いのように、温度の上昇と下降が緩やかで「焼き」の状況がよく見える。温度のレイヤーが緻密なため、急な温度上昇で焦げ付いてしまったり、熱ムラで素材の旨味が流れ出てしまったりという、失敗リスクが実は少ない。

「火入れの安定感が違う、鉄器は。」レシピ監修を依頼した料理人が教えてくれた。料理が好きで、もっと美味しくつくりたい人は手に取るべきと言い切りたい。調理の基本である「焼き」の手触りと手応えを感じながら、火入れをコントロールすることができるOIGEN鉄器という調理道具を。