
入社して40年以上の熟練工が、事務所に置かれていた灰色をした鉄器を指差して、冗談交じりに言った。 「この鍋は親父のプレゼント。」 小学校3年生の時、「親父に化石を探しに行くぞって言われて川辺に探しに行ったの。木の端っこみたいなのが流れてきて、投げてみるとカチっと音がするわけ。『とおちゃん木だよね?』って聞いたら、木が石になった化石だって。」 不思議で仕方なかった。それ以来、少年は石集めに夢中...

”OIGENのカタチ”を作り続ける―金属造型家・廣瀨愼(前篇)
金属造型家として50年以上のキャリアを持つ廣瀨愼さん。『クックトップシリーズ』をはじめとしたOIGENを代表する数々の鉄器をデザインしてきました。廣瀨さんはユニークな遊びごころ溢れる造型感覚で南部鉄器の世界に新たな息吹をもたらすと同時に、及源鋳造|OIGEN らしい南部鉄器「OIGENのカタチ」を作り続けてきました。 今回はそんな廣瀨さんに、これまでの金属造型家としての歩みや、デザインに対す...

“OIGENのカタチ”を作り続ける―金属造型家・廣瀨愼(後篇)
金属造型家として50年以上のキャリアを持つ廣瀨愼さん。『クックトップシリーズ』をはじめとしたOIGENを代表する数々の鉄器をデザインしてきました。廣瀨さんはユニークな遊びごころ溢れる造型感覚で南部鉄器の世界に新たな息吹をもたらすと同時に、及源鋳造|OIGEN らしい南部鉄器「OIGENのカタチ」を作り続けてきました。 今回はそんな廣瀨さんに、これまでの金属造型家としての歩みや、デザインに対す...

自分が納得できる、いいと思えるモノを-石膏原型職人・及川松美
OIGENの鉄器がみなさんの手元に届くまでに、様々な工程で「ものづくり」が行われています。 今回の記事でご紹介するのは、その「ものづくり」の工程のうち、石膏原型の製作を手がけている職人の及川松美さんです。 石膏原型職人のものづくり 松美さんが手がけている石膏原型とは、鉄器のデザイン図を石膏で再現したもののこと。鉄器づくりの工程では、石膏原型を使って、アルミ型をつくり、アル...

及源鋳造|OIGENの刻印について―「南部盛栄堂」と「OIGEN」
「刻印」とは、鉄鍋や鉄瓶、鉄急須の裏や底面部裏など、製品自体に鋳込まれた屋号印またはロゴマーク*のことです。現在、「南部盛栄堂」が1種類と「OIGEN」が2種類の合計3種類の刻印が主に使われています。製品の刻印だけでなく、カタログなどでの押し印としての使われ方の変遷も含めてご紹介します。 *自社のものと他社のものを区別するための商標とも言います。 目次 「南部盛栄堂」は創業時から150...