ひらりと舞う布に、留まり流れる空気を見る

日本で培われた伝統の鉄鋳物の、これからを見据えた造形のあり方を示すk.i.w.a。デザイナー・幸山佳史氏は、日本の美意識を鋳込むことにこだわりました。自然の現象をありのまま受け取り、見えないもの、無常なものこそありありと描写する、日本古来の自然観です。

k.i.w.aの始まりは鉄瓶敷き、そして

物そのものではなく、その周りで起こりうる現象の一瞬を切り取った意匠が特徴的なk.i.w.aは、鉄瓶敷き開発プロジェクトとして始まりました。「自然現象にものごとの真理を見る」という造型概念を反映し、重厚で硬い印象の鉄鋳物を、軽やかに柔らかく表現。機能を超えて、生命感と躍動感を物にもたらす逆説的な発想とアートなフォルムが新しい造型の可能性を示しました。

ひらりと風を纏う

k.i.w.aシリーズを代表するひらりひらりをふたまわり程小さくしたひらり。風に靡く布の様を、柔らかく繊細にデザインしています。上に置かれた物に見えない風を纏わせ躍動感を与えます。目線の高さに置くと真横から眺められ、空気が流れているかのような美しいフォルムを堪能できます。

鋭利な細部まで湯をまわす

布の端まで丁寧に造型された繊細な表現は、職人のこだわりの証です。溶けた鉄（湯）を細部にまで行き渡らせるには、高度な技術と経験が必要です。湯口から注がれた鉄が末端まで冷却せずに届くのは難しく、遠い部分ほど凝固しやすいため、湯の温度と状態を慎重に調整し、職人の誇りにかけて作っています。

k.i.w.a

k.i.w.aとは「際」という意味です。場所と場所の間を意味します。それはモノとモノ、人とモノとの間でもあり、何かと何かをつなぐ物として名付けました。アルファベットとアルファベットの間にある「.」が、k.i.w.aのあるべきポジション「際」を表しています。何をしつらえ、何としつらえ、あなたはそこに何を見ますか？